日本は地震や台風など自然災害が多い国であり、「もしも」に備える防災意識が日々求められています。しかし、非常用の備蓄品や避難グッズを一度揃えたら、ほとんど使う機会がない……という方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、アウトドア用品を防災グッズとして兼用するという考え方です。普段はキャンプや旅行に使いながら、災害時にはそのまま非常用品としても使えるため、無駄がありません。しかも、アウトドア用品は屋外での快適性や機能性を追求して作られているため、非常時の生活でも安心して使えます。
本記事では、防災士の視点から「いざというときに本当に役立つ」アウトドア用品を5つ厳選し、それぞれの特徴と実際の活用シーンをご紹介します。
1. 折りたたみベッド:避難所生活の体への負担を軽減
災害時に多くの人が経験するのが、体育館などの避難所での生活です。硬い床の上での就寝は、想像以上に体に負担がかかります。特に高齢者や腰痛持ちの方にとっては、長期間の避難所生活が健康悪化の原因にもなりかねません。
そんな時に役立つのが、折りたたみ式のアウトドアベッドです。地面との間に空間ができるため、冷気や湿気を遮断し、快適な寝心地を実現できます。組み立てもシンプルで、慣れれば1分以内で設置が可能なモデルも多くあります。
さらに、収納時はコンパクトになるため、車に積んでおいても邪魔にならず、自宅での保管も省スペース。キャンプやピクニック時にも重宝するアイテムでありながら、防災グッズとしての機能性も抜群です。
2. インフレーターマット:空気で膨らむ快適な寝床
避難所や車中泊では、床の硬さや温度が大きなストレスになります。そこで活躍するのが、インフレーターマットです。このマットは空気を自動的に取り込んで膨らむ構造になっており、バルブを開けるだけで手間なく設置が可能です。
体の沈み込みを防ぎながらも、適度なクッション性で体圧を分散してくれるため、翌朝の疲労感が全く違います。また、地面からの冷気を遮断してくれるので、寒い時期にも安心して使えます。
重量も軽く、巻き取れば非常にコンパクトになるため、持ち運びや保管にも困りません。家族分揃えておけば、災害時に快適な就寝環境を確保できるだけでなく、普段のアウトドアや帰省時にも活躍します。
3. 寝袋:オールシーズン対応で快適な睡眠をサポート
災害時には毛布や布団が十分に支給されないケースもあります。そんな時に最も心強いのが**寝袋(シュラフ)**です。季節や気温に応じて適切なモデルを選ぶことで、真冬の寒さにも耐えられる高い保温力を持っています。
また、ファスナーを開ければブランケットとしても使えるタイプや、頭まですっぽり覆えるマミー型など、用途に応じて選べるのも特徴。コンパクトに収納できるため、常備していても邪魔になりません。
子ども用サイズや、大人が2人入れるワイドタイプなど、家族構成に合わせて複数種類を用意しておくと、いざという時に家族全員が安心して眠ることができます。日常ではキャンプや車中泊でも使えるため、防災×レジャーの両方に役立つ万能アイテムです。
4. アウトドアワゴン:荷物運びや避難時に大活躍
避難時や復旧活動時に想像以上に大変なのが、物資や荷物の移動です。水や食料、寝具などを何度も運ぶのは体力的にも時間的にも負担が大きくなります。
そこで役立つのが**アウトドアワゴン(キャリーワゴン)**です。大容量の荷物を一度に運べるうえ、安定した車輪と伸縮式のハンドルで操作性も抜群。段差や砂利道などの悪路でもしっかり進むように設計されているものが多く、避難所や仮設住宅までの移動に重宝します。
使わないときは折りたたんでコンパクトに収納でき、家の中での保管場所にも困りません。キャンプ場ではテントやクーラーボックスの運搬に使えるので、日常使いとしても高い利便性があります。
5. 充気式ピロー:首の疲れを防ぐ小さな安心
寝具を揃えても意外と見落としがちなのが「枕」の存在です。災害時には荷物の優先度が高いものに偏りがちで、枕が後回しになることも。しかし、慣れない環境での睡眠時に首の疲れや肩こりを感じると、体調を崩しやすくなってしまいます。
この点で便利なのが**充気式ピロー(インフレーターピロー)**です。使用時には空気を入れて膨らませるだけで、しっかりとした高さと弾力を持つ枕が完成します。使い終わったら空気を抜いてコンパクトに折りたたむことができ、収納や持ち運びも簡単です。
最近では肌触りの良いカバー付きモデルや、形状記憶タイプなど、快適性を重視した製品も多く販売されています。小さなアイテムながら、災害時の生活の質を大きく左右する重要な存在です。
まとめ:アウトドア用品を“もしも”に備える日常へ
今回ご紹介した5つのアウトドア用品は、いずれも普段のレジャーや旅行で使えるだけでなく、災害時にも確かな役割を果たしてくれる頼れるアイテムです。「防災用品はしまいっぱなしで忘れてしまう」という問題も、アウトドア用品と兼用することで自然と解消されます。
日常で使い慣れておけば、いざという時にも迷わず使える安心感があります。防災グッズを選ぶ際には、非常時だけでなく「普段も使えるか」という視点を持つことがとても大切です。
防災士が自信をもっておすすめするこれらのアイテム、ぜひご家庭でも取り入れてみてください。レジャーと防災、どちらの備えにもなる賢い選択で、安心な暮らしを築いていきましょう。
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