キャンプや登山といったアウトドアシーンで広く使われている「インフレーターマット(自動膨張式マット)」。空気を取り込むことで自動的に膨らみ、地面の凸凹や冷気を遮断してくれる優れたギアとして、多くのキャンパーから支持されています。
一見すると万能なように思えるインフレーターマットですが、実際にはいくつかの“欠点”や注意点が存在します。この記事では、購入前に知っておきたいインフレーターマットのデメリットを、実際の使用シーンを想定しながら詳しく解説します。
インフレーターマットとは?基本的な仕組みと特徴
まず、インフレーターマットの基本的な構造について簡単におさらいしておきましょう。インフレーターマットは、内部にウレタンフォームなどのスポンジ素材が入っており、バルブを開けることで自動的に空気を吸い込んで膨らむ仕組みです。完全に膨らんだ後は、バルブを閉じて空気を密封し、体重を支えるクッションとして機能します。
主なメリットとしては以下の点が挙げられます:
- 自動膨張で設営が簡単
- 地面の凹凸を吸収し、快適な寝心地を実現
- 冷気や湿気を遮断し、保温性が高い
これらの利点から、初心者からベテランキャンパーまで幅広く愛用されています。
インフレーターマットの代表的な欠点
それでは本題である「欠点」について、具体的に見ていきましょう。
1. 収納サイズが意外と大きい
インフレーターマットは中にフォーム素材が入っているため、空気を抜いてもある程度の厚みが残ります。そのため、完全にペタンコに畳むことはできず、特に厚みのあるモデルほど収納サイズが大きくなります。
軽量でコンパクトなキャンプを目指すソロキャンパーや登山者にとっては、この“かさばり感”がデメリットに感じられることも多いです。ザックの中でスペースを圧迫する場合もあり、パッキングには工夫が必要です。
2. 空気漏れのリスクがある
内部に空気をためて使用する構造上、どうしても空気漏れのリスクが付きまといます。特に、尖った石や木の枝などに触れると、表面に小さな穴が開いてしまい、気づかないうちに空気が抜けてしまうことがあります。
また、バルブの劣化や接続不良によっても空気漏れは起こります。寝ている途中にマットがへたってしまうと、快眠が妨げられ、疲れが取れにくくなる原因にもなります。
3. 完全に膨らむまでに時間がかかることも
「自動膨張」とは言っても、実際には数分〜十数分かかることが多く、すぐに使用したい場合には少し不便に感じるかもしれません。また、マットの種類によっては空気の入りが弱く、自分で息を吹き込んで補充しないといけないケースもあります。
特に寒い季節や標高の高い場所では、空気の膨張率が下がるため、完全に膨らませるのに手間がかかることも。そういった場面では、エアポンプを併用するなどの対策が必要です。
4. 保管方法に注意が必要
インフレーターマットは、長期保管時の状態にも注意が必要です。空気を抜いたまま長時間圧縮して保管すると、内部のスポンジ素材が潰れたまま戻らなくなり、自動膨張の性能が落ちる可能性があります。
適切な保管方法としては、バルブを開けた状態で軽く空気を入れ、広げたまま保管することが推奨されています。しかし、この方法にはスペースが必要なため、収納場所の確保が難しい家庭では悩ましい点です。
5. 価格がやや高めの傾向がある
同じ大きさのフォームマットや銀マットと比べると、インフレーターマットは全体的に価格が高めです。機能性や快適性を求める人にとっては納得の価格かもしれませんが、コストを抑えたい初心者キャンパーにとっては、少しハードルが高いと感じることもあるでしょう。
また、破損や劣化が発生した場合の修理や買い替えもコストに影響します。
それでも選ばれる理由とは?
ここまでデメリットを紹介してきましたが、それでも多くのキャンパーに選ばれているのは、それだけ「快適さ」や「便利さ」が際立っているからです。例えば、地面の硬さや冷たさを感じにくく、睡眠の質を大幅に向上させる点は、他のマットにはなかなか真似できません。特に連泊キャンプや寒冷地での使用では、インフレーターマットの恩恵を強く実感するでしょう。
購入時にチェックしたいポイント
インフレーターマットを購入する際には、以下のような点に注意しましょう:
- 厚みと収納サイズのバランス
快適性を重視するほど厚みが必要ですが、収納時のサイズとのバランスを見極めましょう。
- バルブの構造や使いやすさ
シングルバルブよりダブルバルブのほうが空気の出し入れがスムーズです。
- リペアキットの有無
万が一に備えて、穴あき時の補修用キットが付属しているか確認しておくと安心です。
まとめ:メリットとデメリットを理解して賢く選ぼう
インフレーターマットには確かに欠点がありますが、それ以上に快適性や利便性が魅力です。特に「睡眠の質」を重視するアウトドア愛好家にとっては、多少のデメリットを差し引いても導入する価値があるアイテムです。
ただし、収納スペースや保管方法、メンテナンスに自信がない人、または予算が限られている人にとっては、他のタイプのマット(クローズドセルマットなど)も検討対象となるでしょう。
それぞれのライフスタイルや使用シーンに合わせて、自分にぴったりのマットを見つけてください。
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