楽しかったキャンプの最終日。気持ちよく朝の空気を味わったあとに待っているのが「撤収作業」です。「なぜか毎回、チェックアウトのギリギリになってしまう」「周りのサイトはどんどん片付いているのに、うちだけ全然終わらない……」と焦った経験はありませんか?
撤収作業が長引く原因は、テントの撤収だけではありません。実は、寝室スペースで使っているエアマット(インフレーターマットを含む)の「空気抜き」が大きなボトルネックになっているケースが非常に多いのです。この記事では、エアマットの片付けが遅くなる原因から、効率よく空気を抜く手順、さらには朝の時間を大幅に浮かせる撤収のアイデアまで、詳しく解説します。
キャンプ撤収に時間がかかる意外な原因
撤収作業というと、大きなテントを畳んだり、焚き火台の灰を処理したりする作業に目が行きがちです。しかし、実際に時間を測ってみると、テント内部の片付けに想像以上の時間を費やしていることがよくあります。
テントより時間がかかる寝具片付け
テント自体は、ポールを抜いて畳むだけなら15〜20分程度で終わる設計のものが増えています。一方で、テントの中で使うシュラフ(寝袋)の乾燥や圧縮、そして何よりエアマットの空気抜きと収納は、地味ながら非常に手間がかかります。特にファミリーキャンプや複数人でキャンプを楽しむ場合、人数分のマットを1枚ずつ手作業でペシャンコにするのは重労働です。マット1枚につき5分〜10分かかっているとすれば、4枚で30分以上も寝室の片付けだけに追われることになります。
エアマット収納時のストレス
エアマットの片付けで最も苦戦するのが、「収納袋に入らない」という問題です。せっかく最後まで丸めたはずなのに、収納袋に入れようとした瞬間に膨らみ直してしまったり、端っこに膨らみが残っていて袋のジッパーが閉まらなかったり……。「一度袋から出したら二度と元通りに入らない」というのは、キャンパーあるあるの悩みと言えます。やり直すたびに汗をかき、体力を消耗してしまうため、撤収のスタート段階で大きなストレスを感じてしまう原因になります。

エアマットの空気抜きが重要な理由
「少し空気が残っていても、強引に丸めてしまえば大丈夫だろう」と考えて作業を進めると、さまざまなデメリットが生じます。空気抜きを丁寧かつスピーディーに行うことは、ギアを長持ちさせる観点からも重要です。
無理に押して空気を抜くリスク
バルブ(排気口)を開けた状態で、体重を極端にかけて一気に潰そうとしたり、無理な方向に折れ曲げたりすると、マット内部の構造を痛める原因になります。
- 内部スポンジやウレタンの破損: インフレーターマットの場合、内部のウレタンフォームが不均一に潰れ、次回使用時の復元力が低下する恐れがあります。
- バルブや接合部の破損: 高い圧力が急激にかかることで、バルブの付け根やマットの貼り合わせ面(シーム)が裂け、エア漏れ(パンク)の原因になります。
力を込めれば早く抜けるというわけではなく、正しく空気を導き出すコツが必要です。
収納サイズが大きくなる原因
エアマットの中にわずかでも空気が残っていると、巻き上げたときの直径がひと回り大きくなります。収納ケースに余裕がないタイプの場合、無理に押し込むことでケースの生地が破れたり、ジッパーが破損したりします。また、車への積載(パッキング)においても、無駄に膨らんだマットは貴重なトランク容量を圧迫するため、キャンプ全体の撤収効率を落とす結果になります。

効率的なエアマット空気抜き方法
では、どのようにすればスムーズに、かつしっかり空気を抜くことができるのでしょうか。ここでは代表的な3つの排気アプローチを紹介します。
自然排気
まずはバルブを開け、自重や内部の圧力差で自然に空気を外へ逃がす方法です。バルブを開けた瞬間にすぐ丸め始めるのではなく、「バルブを開けて放置する時間」を少し作るのがポイントです。テント内の整理やほかの小物を片付けている間に自然排気を進めておくだけで、後から自分で押し出す空気の量が激減します。ただし、自然排気だけでは完全にぺたんこにはならないため、あくまで「下準備」としてのステップとなります。
手動で押しながら排気
工具やツールを使わず、手作業で完結させる最も基本的な方法です。二段階に分けて丸めるのがコツです。
- 粗抜き(1回目の巻き上げ):
バルブを開け、マットの端(バルブと反対側)から大雑把に体重をかけながら巻いていきます。バルブ付近まで空気を押し出したら一度バルブを閉めます。
- 本抜き(2回目の巻き上げ):
マットを一度広げ直します。先ほどの粗抜きで内部の密度が高まっているため、今度は端からできる限り細く、隙間なく締め上げるように巻き進めます。
- 仕上げ:
バルブ付近まで巻いてきたらバルブを開け、最後に残った空気を「シューッ」と逃がし、完全に抜け切ったタイミングで即座にバルブを閉めます。
一発で完璧にやろうとせず、「一度大まかに抜いてから、きれいに巻き直す」という2ステップを踏むほうが、結果的に早くて綺麗な仕上がりになります。
電動ポンプの排気機能
最も労力をかけず、短時間で完璧な真空に近い状態を作れるのが「電動ポンプ」の利用です。手動でいくら頑張っても、マット内部には少なからず空気が残ります。しかし、排気(吸引)機能がついた電動ポンプを使えば、バルブにノズルを接続してスイッチを入れるだけで、吸い上げるように空気を外へ出してくれます。ペシャンコになったマットはそのまま素直に丸めるだけで済むため、巻き直しの手間もかかりません。
朝の撤収時間を短縮するキャンプ術
エアマットの片付けと並行して、チェックアウトまでの朝の行動パターンを見直すことで、撤収作業全体のスピードが格段に上がります。おすすめの段取りを紹介します。
朝食準備
朝食はできるだけ「火や大掛かりな調理器具を使わないメニュー」に絞るのが鉄則です。
- 手軽な朝食の例: カセットコンロでお湯を沸かすだけのカップスープ、前日買っておいたパン、そのまま食べられるフルーツやホットサンドなど。
- メリット: 炭を起こしたり、大量の調理器具や食器を洗ったりする時間を削減できます。洗い物が少なければ、キッチン周りの乾燥待ち時間もなくなります。
荷物整理
朝食が終わったら、まずは「今使わないもの」から順次バッグやコンテナへしまっていきます。
- 焚き火台の灰が冷めていることを確認して片付ける
- 昨夜使ったランタンやLEDライト類をケースに収める
- 着替えや防寒着をトラベルポーチにまとめる
「あとでまとめて片付けよう」とすると、最終的にサイト全体が乱雑になり、何から手をつければいいか分からなくなります。「使った場所から順番に消していく」イメージで整理するのがポイントです。
寝具片付け
荷物整理の流れで、テント内の寝具(シュラフ・マット)に取りかかります。
- シュラフを干して湿気を飛ばす(天気が良ければ車のボンネットやロープにかけておく)
- エアマットのバルブを開けて自然排気をスタートさせる
- マット以外のインナーテント内の荷物をすべて外へ出す
- マットの本格的な空気抜きを行い、収納袋に収める
寝室スペースが空っぽになれば、あとはインナーテントを畳むだけになり、撤収のゴールが一気に近づきます。

電動エアポンプは「膨らませる道具」だけではない
キャンプでの空気入れといえば「膨らませるときに使うもの」というイメージが強いかもしれませんが、現代のコンパクトな電動エアポンプは「排気(空気抜き)」においてこそ真価を発揮します。
充気+排気
多くの小型電動ポンプには、「空気注入ノズル」と「吸気・排気口」の2つのポートが備わっています。夏場のプール用浮き輪だけでなく、キャンプ用のぶ厚いエアマットやインフレーターマットでも、この両機能が大活躍します。行きはスイッチひとつで自動で膨らませ、帰りは自動で空気を吸い出してペシャンコにしてくれます。
収納効率アップ
手動で空気を抜いた場合と、電動ポンプで吸引した場合とでは、畳んだときの薄さが圧倒的に異なります。ポンプで強力に排気されたマットは、購入時に箱から出したときのような「超コンパクトな状態」まで縮みます。これにより、付属の収納袋へストレスなくスルッと入れることができ、「入らなくてやり直す」という無駄な時間がゼロになります。
撤収ストレス軽減
夏の暑い時期や、冬の凍えるような寒さの中、汗だくになりながらマットの上に膝をついて空気を押し出す作業は、想像以上に体に負担がかかります。電動ポンプを導入すれば、バルブに繋いでスイッチを入れている間にほかの撤収作業を進められるため、体力的な負担も時間的なロスタイムも大幅に軽減されます。一度この快適さを体験すると、手動での空気抜きには戻れなくなるキャンパーが多いのも納得です。

まとめ
キャンプの撤収が遅くなってしまう隠れた原因、「エアマットの空気抜き」。手動で行う場合は「焦らず一度大まかに抜いてから、2回目で綺麗に巻き上げる」という手順を意識するだけでも、仕上がりの太さとスピードが大きく変わります。また、朝の行動パターンをシンプルに整え、寝具周りの片付け手順をルーティン化することも大切です。
さらに一歩進んで、撤収作業の負担を劇的に減らしたい方は、「排気機能がついた小型電動エアポンプ」の導入をぜひ検討してみてください。面倒な空気抜き作業から解放されれば、チェックアウト直前まで温かいコーヒーを味わう余裕が生まれます。賢くツールとコツを活用して、最後まで笑顔で過ごせる快適なキャンプライフを楽しみましょう。






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